FLEX101~Holiday Note 後編

「……リカさーん。おはようってば」

「知らないっ」
「リーカーさーん」

ぐったりとベッドに沈み込んだ後、かわいいを連発する大祐に周りにあった服やブランケットをかき集めて怪しいカタマリになったリカはバスルームに逃げ込んだ。しばらくしてシャワーを浴びてすっかり目が覚めて出てきたリカは、まともに大祐の顔を見られないでいる。

後を追いかけて顔を覗き込む大祐から逃げ回りながら朝食の支度をしていた。

「どしたの。なんでこっち見てくれないの」
「なななんでもないから!もういいから!」
「なにがー?ねぇねぇ」

顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて仕方がないリカにひたすらまとわりつく大祐は、冷蔵庫の前でリカを捕まえた。

「もしかして怒ってる?」
「お、怒ってないですっ」
「じゃあ、どうしたの」

大祐の可愛い攻撃は、まだ熱のひかないままの状態で我に返ったリカが離れようとしてもなかなか、その腕からは解放されなかった。

―― だってだってだって!離してくれないし、そのままでずっと……だから、困っ……

意識してどうにかなるわけでもなく、動いて、動かれれば締め付けてしまう。すぐに力を取り戻した大祐が嬉しそうに、まだ、とねだり、リカもでしょ?と問いかけられてからはもうどうしようもなかった。
セーブのきかない状態はリカの羞恥心を叩きのめすのに十分だったのだ。

「……もしかして、恥かしいの?」
「!!……馬鹿っ」

耳まで朱色に染まったリカが俯いて、大祐の体を押しやろうとするのをぎゅうぎゅうに抱きしめる。

「可愛いっ!もう、恥かしがることなんかないんだってば!俺のことを怒るならわかるけど、恥かしいからって……。あーっ、もう、せっかくの休みなのに家から出したくなくなるようなこと言っちゃ駄目だってば!」
「そっ!!そんなこといってないっ」
「言ってる!うわーどうしよう。可愛いっ。最近、リカのこと独り占めできなかったから堪能したいなーっ」
「ダメダメダメっ!!大祐さん、加減してくれないんだもん!!」

さすがに、それはなんとしてもまずい、と思ったリカが顔を上げると、大祐の笑顔が目の前にあった。

「やっと顔見てくれた」

ちゅっと、眉間にキスした大祐がぽんぽん、とリカの頭を撫でた。

「嘘だよ。リカが顔を上げてくれないから。朝食たべて出かけようか。一緒に」
「……」

唇を尖らせたリカにちゅっと啄むようなキスをしてから手を引いて朝食の準備ができたテーブルへと連れて行く。

「休みって、いいね」

満面の笑みに向かって、唇を噛みしめたリカは、いーっとして見せてさらに大祐を笑わせた。

***********************************ボリューム調整のあとがき(笑)

しばらく、仕事がものすごく忙しくて停滞していたんですが、FLEXも100本目ですよ。長文を一定ボリュームに切っているせいもあるんですが、よくもまあ、こんなに一杯・・・・。って本家のお話をかいていた時もそう思いましたけどね。
空稲でもやってしまったなぁ。

オリジナルをかこうと思いながら時間が取れなかったので、少し気合い入れたいところですが、できるかなぁ。
引き続き、見捨てずにお付き合いいただければ幸いです。

よろしくお願いします。

投稿者 kogetsu

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