支部にちょいと久しぶりのFLEXをアップしてます。
しばらくしたらこちらにも乗せますが、それまでのチョイたし。
「大祐さん、毎回無理して一緒に来なくても大丈夫よ?」
「いや、これはリカだけのことじゃないし、僕も一緒にいって当然だろう?どうしてもって時はもちろんずらすとか考えるけど。それに、鴻鳥先生の話は聞いててちゃんと僕の疑問にも答えてくれるから安心するね」
くすっとリカが笑う。
一度、緊急の手術に入ったとかで、代理の先生に見てもらったことがあったのだが、メガネのぶっきらぼうな口調に初めから大祐はむっとしているようだった。
「空井リカさん。状態も安定していますし、問題ありませんね」
「はい」
「じゃいいですよ。また次回」
たったそれだけのいい様に、大祐がつい口を出す。
「あの、他にはないんですか?」
「なにか?」
「いや、あの、気になることとか・・・」
すっとメガネの奥で目を細めた先生が大祐からリカに視線を移す。
「なにか気になることでも?」
「いいえ」
「じゃあ、いいですよ」
急いで立ち上がったリカが大祐を押し留めて、ありがとうございました、と診察室を出る。
「大祐さん!」
「だっ・・・、今の」
「いいの。四宮先生ってあんな感じなんだって。他の患者さんたちも言ってたけど。無愛想で怖いけど、しっかり見てくれる先生らしいから」
ふうん、とおもしろくなさそうに呟いた大祐とリカが会計のためにロビーに向かった。
しばらくして外来が終わって医局に四宮がもどると、手術が終わったサクラがもどってきていた。お疲れ、と声をかけてくるサクラの背後で四宮が足を止めた。
「・・・サクラ」
「ん?」「お前・・・、ドッペルゲンガーって・・・いや。なんでもない」
表情を変えていないように見えて、その変化の乏しい具合になれたものが見たとしたら、ぴくぴくとこめかみが動いていることに気づいたかもしれない。
カルテの整理をしていたサクラが振り返る。
「えー?何?」
「なんでもないといっている」
じろっとサクラを見下ろした四宮が歩き出してからもう一度足を止める。
「サクラ」
「だからなに?」
困った顔で半分だけ笑みを浮かべたサクラの眉間がハの字になる。
「確認」
「・・・は?」
すたすたと去っていった四宮の後姿を見ていたサクラがふわふわのくせ毛をゆらして首を傾けた。