「触ってもいい?」
「いいよ?」
素肌のままで、腕の中で甘えてくるリカが可愛すぎて、なかなかシャワーにさえいいよと言えなくて、仕方がないなぁと寄り添っているリカが、俺の頬に手を伸ばす。
指先に伸びかけの髭が触れて、くすくすと笑いながら輪郭を確かめるようになぞっていく。
「面白い?」
「不思議。こんなに間近で、見られると思ってなかったから」
「まだ慣れないの?」
ごつごつした喉仏も、顎のあたりも、頬から唇にかけてゆっくりとなぞってきた指先をぺろっと舐めた。
「ひゃっ、もう。何するの」
「んー、リカの味見?」
本当に指先だけでも甘いよ、と言いかけてやめる。
男だから、そんなにいいものでもないと思うのに、リカはぺたりと俺の胸のあたりに頬を寄せた。
「大祐さん。さらっとしてて、気持ちいい」
「俺が?こんなごつごつしてるのに?顔なんかざらざらだけど」
よほどリカの方が体中、顔も、どこもかしこもサラサラで甘くて、柔らかいだろうに、俺の肩から胸のあたりに掌をあてたリカが目を閉じた。
「そんなことない。安心して……、すごく気持ちいい」
―― ああ、もう。この後は大人しく寝かせてあげようと思っていたのに……
こんな俺でいいならいくらでも触ってくれて構わない。
だけど、まさか本気ではそうもいかない。
リカの額にキスすると、もっと触ってもいいよ、と囁く。
こんな俺でもいいのならいくらでも。
そして、俺からも。
―― 触っても、イイ?